エリオット波動の概要

オルタネーション

オルタネーション(交互)とは、修正波が、値幅、期間(日柄)、パターン、または複雑さの程度において前回の修正波(例えば、第4波にとっての第2波)と異なることが多いという現象のことです。 オルタネーションは100%必ず生じるわけではありませんが、大部分のケースで生じます。

オルタネーションは、値幅・期間・パターン・複雑さのうちのいずれか1つではなく、これらの複数において同時に生じることがあります。 例えば、インパルスの第2波と第4波が、値幅と期間において異なるという具合です。 (もっとも、ジグザグとフラットという具合にパターンが異なれば、値幅と期間も自ずと異なるとも言えますが)

値幅の違いというのは例えば、前回の修正波による戻しが浅ければ、今度の修正波による戻しが深くなる(あるいはその逆)ということです。 期間の違いというのも、前回の修正波が短期間で完了したのであれば、今回の修正波は完了までに時間がかかるなどということです。

パターンの違いというのは例えば、ジグザグとフラットやトライアングルとの対比ということです。

複雑さの違いというのは、単発のジグザグや、フラット、トライアングルと、複雑な構造の複合波との間の対比ということです。

オルタネーションにおける対比はいずれも相対的なものです。 つまり、2つの修正波の関係において、一方の波に比べてもう一方がどうかという話であるわけです。

したがって、例えばインパルスの第2波の期間が一定の期間以上であれば期間が長い(絶対的な基準)というわけではありません 第4波の期間と比べて第2波の期間が異なるのか、それとも同じなのかという問題なのです。

インパルスのオルタネーション

インパルスではオルタネーションは第2波と第4波の間に生じます。

例えば、インパルスの第2波がジグザグで第4波がフラットやトライアングルになる(あるいはその逆に、第2波にフラットなどが来て第4波にジグザグが来る)という具合です。

下の図では、インパルスの第2波がジグザグで第4波がトライアングルとなっています。


「投資家たちが未だに相場が転換したことに懐疑的である」という第2波の性質からして、第2波は修正幅が大きくなる確率が高くなります。 そのために(オルタネーションゆえに)第4波は修正幅が小さく、その一方で修正期間が長くなる確率が高くなります。

修正波におけるオルタネーション

修正波内部では、オルタネーションはフラットのA波とB波、あるいは複合波において生じます。 ジグザグはABC波が5−3−5という構造で、その内部に修正波が1度しか登場しないため、ジグザグ内部でオルタネーションが生じることはありません。

例えばフラット内でのオルタネーションというのは、A波がジグザグで B波がフラットになるなどです。 下の図は、フラットのA波がフラットで、B波がジグザグとなっている例です。



フラットのオルタネーションも、パターンの種類だけでなく複雑さに関しても生じることがあります。 すなわち、A波が簡単なジグザグであるときに、B波が拡張波のように1つ小さな規模の波まで目に見えるような大きなサイズのものとなることがしばしばあります。 このような場合には、B波に続くC波のサイズも大きくなる傾向にあります。

逆に、A波が複雑でB波がシンプルになるというケースは比較的まれです。

揺らぎが生じないパターン

インパルスやフラットでは修正波が2回登場します(第2波&第4波、A波&B波)が、ジグザグではA波が5波の推進波で修正波がB波だけなので揺らぎが生じる余地はありません。 また、トライアングルでは修正波が5回も登場しますが、基本的にジグザグが連続する構造なので揺らぎを考慮する必要はありません。

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