エリオット波動の概要

フラット

修正波であるフラットは3−3−5という構造の ABC波で構成されています。 すなわち、最初のA波と、その次のB波が3波から成り、最後の C波のみが5波から成るというわけです。(厳密に言えば、B波の位置に5波構成の修正波であるトライアングルが来ることがあります)

図1−フラットの構成
修正波フラットの図解

フラットはジグザグよりも修正波全体としての力が弱い(上げ相場であれば押しが弱く、下げ相場であれば戻しが弱い)と考えられます。

そのために、修正方向に動くA波が力強さに欠けて5波ではなく3波構成となり、さらにB波が強いためにA波とC波の終点の高さがほとんど同じとなります。

例えば、図2の押し幅の小さな第4波(図2では一本の線で表していますが)を拡大して(週足に対して日足などで)見ると、上図のようなフラット構造になっているというわけです(押し幅の大きな第2波がジグザグ)。

図2−フラットの生じる場所
フラットの生じる場所

フラットは相場(図2で言えば第3波〜第5波の辺り)の勢いが強いときに生じるため、フラットの前後(図2で言えば第3波または第5波)に拡張波が生じることが多いとされています。

フラットの種類

フラットは、さらに次の3つの種類に分けることが出来ます。 どの種類のフラットも、3−3−5という内部構造は共通しています。
  • レギュラー
    レギュラー・フラットとは上掲の図1のようなフラットのことです。 すなわち、A波の始点とB波の終点が同程度の水準(B波の値幅がA波の値幅の62%以上となるのが普通)にあり、C波の終点がA波の終点よりも少し低く(下げ相場では高く)なるという平坦なレンジです。
  • イレギュラー
    イレギュラー・フラットは、A波 ⇒ B波 ⇒ C波と進むにつれて波が大きくなっていきます。 結果として、イレギュラーが押す(戻す)値幅はレギュラーよりも大きくなります。

    イレギュラー・フラット

    「イレギュラー」という名称はエリオットが付けたものですが、実際にはレギュラー・フラットよりもイレギュラー・フラットの方が多く発生します。

  • ランニング
    ランニング・フラットは、B波まではイレギュラーに似ていますが、その後のC波の動きが不十分となり中途半端な形に終わります。

    ランニング・フラット

    推進波の第1波〜第2波の部分をランニング・フラットのB波〜C波の部分と勘違いすることが多いので、「ランニング・フラットかな?」と思ったときには、B波が5波ではなく3波で構成されていることを確認しましょう。 B波と思われる波が5波構成である場合には、推進波の第1波である可能性が高くなります。



    ランニング・フラットは発生頻度の低いフラットです。 発生例はあまりありませんが、値動きの激しい強い相場にのみ生じると言われています。

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