エリオット波動の概要

ディアゴナル

インパルスの第5波またはジグザグのC波が修正波のトライアングルと同じような形になるケースがあり、これを「ディアゴナル・トライアングル」、略して「ディアゴナル」と言います。

修正波として生じるトライアングルとの違いは、トライアングルの先端部分が水平ではなく斜め上(下げ相場では斜め下)を向いているという点です。 「ディアゴナル(対角線)」という名称も、このトライアングルの角度に由来しています。 ディアゴナルはその形状から「ウェッジ(くさび)」と呼ばれることもあります。

ディアゴナルは、修正波として生じるトライアングルと同様に、それぞれが3波から成る5つ波で出来ています。



修正波のトライアングルと違って、ディアゴナルは推進波なので、ABCDEではなく12345で表記しています。 日足以下の小さいスケールでは1〜5波が3波構成であるのまでは見えないことがあります。

ディアゴナルは第3波が大きな値幅を短時間のうちに達成したときに生じることが多く、第5波やジグザグのC波がインパルスになる場合に比べて相場の勢いが弱い(上げ相場では弱気、下げ相場では強気)ことを示しています。

上げ相場の第5波としてディアゴナルが生じた場合には、ディアゴナル終了後の下落でディアゴナルの開始地点まで落ちるケースが多いと言われています。 特に、未達成または第5波に生じる拡張波がディアゴナルと同時に現れた場合には要注意です。

リーディング・ディアゴナル

ディアゴナルはときおり、インパルスの第1波やジグザグのA波の位置にも生じることがあります。

このようなディアゴナルのことを「リーディング・ディアゴナル」と呼びます。 「リーディング」とは「先頭に立つ」という意味で、インパルスやジグザグというパターンの最初の波において生じるために、このように名付けられました。

パターンの最後(第5波とC波)に生じる上述のディアゴナルを、リーディング・ディアゴナルと区別して呼ぶ場合には、「エンディング・ディアゴナル」という名称が用いられます。

リーディング・ディアゴナルはエンディング・ディアゴナルと同様に5波構成ですが、その中身が違います。 下の図はインパルスの第1波として生じたリーディング・ディアゴナルです。



エンディング・ディアゴナルでは3波構成の波が5つでしたが、リーディング・ディアゴナルはインパルスと同じく、5波・3波・5波・3波・5波という内部構造になります。

ただしリーディング・ディアゴナルはインパルスと違って、第4波と第1波のレンジが部分的に重なります。

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