エリオット波動の概要

拡張波

インパルスでは多くの場合、拡張波と呼ばれる現象が生じます。 拡張波とは、第1波、第3波、または第5波のいずれかが非常に大きくなって、そのためにその内部の波構造が第1〜第5波と同程度にまで大きく見えるという現象です。

したがって、拡張波が生じた波動は5波でなく9波でできているように見えます。 下図は第3波が拡張波となった場合を示しています。



株式市場においては、第3波が拡張波になることが多いとされています。 ごくまれに、第3波と第5波の両方が拡張波になることもあります。

拡張波が生じたときには以下の現象が起こることが多いと言われています:

  • 第1波、第3波、第5波のいずれかが拡張波となるとき(特に、第3波が拡張波となるとき)、残りの2つの波は値幅と日柄(期間)において等しくなるケースが最も多い。 その次に多いケースは、一方が他方の0.618倍(黄金比率に基づく数字)になるというケースである。
  • 第1波が拡張波となるとき、第1波全体の値幅と第3波の始点から第5波の終点までの値幅との比率が1:0.618となることが多い。
  • 第5波が拡張波となるとき、第1波の始点から第3波の終点までの値幅と第5波全体の値幅との比率が1:1.618の比率になることが多い。
  • 拡張波とみなされるには、拡張波の値幅が拡張波の次に値幅が大きい波の1.68倍以上でなくてはならないとする専門家もいる。 ただし、第1波が拡張波となる場合には稀に、第1波の値幅が第3波の値幅の1.68倍に達しないこともある(第3波が最も短い波となることはないから、第1波または第5波が拡張波であるという時点で、第3波が2番目に大きい波となることが確定する)。
  • 第5波が拡張波となるときには、第5波の出来高が第3波よりも多くなる。
  • 上げ相場において第5波が拡張波となるとき、拡張波が終わった後に来る修正波は急落となることが多い。この急落は、拡張波の第2波の最安値の辺りで下げ止まることが多い。(下図参照)



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